長野県岩村田高等学校同窓会

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「岩村田高校を発展させる会」委員会通信 修篁(しゅうこう)第3号

令和8年2月6日

はじめに

 2026年(令和8年)が明けて1ヶ月以上経過しました。皆さん変わりなくお過ごしでしょうか。四捨五入すると古希になる私は加齢に抗いつつ何とか過ごしています。

 1月30日には同窓会新年役員会が開催されました。その席で、「岩村田高校を発展させる会」の委員構成、活動状況について報告しました。3月の第2回委員会における初年度活動総括は6月に開催される同窓会総会で報告予定です。折しも、次年度は第2期高校再編による新校第1号として「小諸義塾高校」が開校しますので、同窓会総会後に行われる同窓会講演会において第2期高校再編をテーマにするには絶好の機会です。他にも講演候補がある様子ですが鈴木事業部会長に相談して、可能性を模索しています。

1 第2期高校再編最前線

 前号で記載したとおり、4月に「小諸義塾高校」が開校しますが、校舎建設工事遅延につき、夏休みまで上級生は各校の校舎を使用します。私は、山梨学院大学広報の仕事で11月に小諸商業高校、1月に小諸高校の進路室を訪ね、両校進路指導主事と情報交換しました。1学期は新3年生の進学活動にとって大変重要な時期です。「それぞれの校舎を訪問した方が良いですか」と尋ねたところ「現在の状況が続きますので、両校舎を訪問してください」との回答でした。

 佐久新校では2029年(令和11年)4月の開校に向けて校舎建設が始まりますが、その前に、来年1月から埋蔵文化財発掘調査が行われますので、校舎完成は遅れる公算が大です。さらに、校名、校歌、教育課程、学校行事(強歩大会、修学旅行、文化祭、クラスマッチ等)、特別活動(生徒会活動、クラブ活動)等々詳細検討を要する課題が山積です。とりわけ、新校教育の根幹をなす、学際領域に関する学科(「普通科教育を主とする学科」の弾力化により設置可能となった「新たな普通科」の1つ)の名称とカリキュラム編成、それに付随する新たな学びに対応した単位制の導入、理数科学選択群・人文科学選択群の設置、学校内外の自主的・創造的な活動による単位取得等をどのように具体化し、1期生が卒業する2033年(令和14年)3月の進学実績へいかにつなげるかは極めて重いミッションと言えます。

 現在進行中の第2期高校再編は長野県教育委員会が計画を示した時期により、1次計画から3次計画に分かれています。小諸義塾高校、伊那新校、佐久新校、須坂新校、赤穂総合学科新校、中野総合学科新校は1次、2次計画に含まれており、すでに開校予定時期が示されています。その一方、3次計画に含まれている新校(長野東スーパーフレックス新校、長野千曲総合技術新校、岡谷新校、岡谷諏訪総合技術新校、茅野富士見新校、塩尻総合学科新校、安曇野総合学科新校)は昨年11月末の段階で具体的な見通しは示されていませんでした。しかし、県教委は12月23日に塩尻総合学科新校(塩尻志学館高校と田川高校を再編)について、塩尻志学館高校の校地を活用し、2033年(令和14年)4月の開校を目指すことを決定。2月の県会で同意を求めることになっています。再編実施基本計画が決定するのは3次計画校では初めてです。その他には12月27日信毎記事によると、茅野富士見新校懇話会が両校の再編統合について議論する懇話会の初会合を12月に茅野市で開きました。1月29日信毎記事では須坂新校の校名が「須坂翔陽高校」にまとまり、県会へ提案されると報道されました。

2 小諸義塾高校普通科 前期選抜倍率県下トップ

(第2回入学志願者予定数調査結果及び前期選抜志願者数より)

 12月に実施された入学志願者予定数調査結果が1月6日に公表されました。また、前期選抜志願者数も2月4日に公表されました。昨年度の第1回・2回調査、最終倍率との比較表を下記に掲載しましたのでご参照ください。

入学志願者比較表 ( )内は倍率

 令和7年度入試令和8年度入試
1回調査2回調査最終倍率1回調査2回調査最終倍率
小諸高校前期5980 (1.33)81 (1.35)
後期86105 (1.75)66 (1.10)
小諸商業高校前期9693 (1.29)104 (1.44)
後期114116 (2.41)60 (1.25)
小諸義塾高校前期 普通121131 (2.18)136 (2.27)
前期 商業73111 (1.54)106 (1.47)
後期 普通162148 (2.47)3月
後期 商業94118 (2.46)3月
岩村田高校後期276254 (1.27)190 (0.95)260238 (1.19)3月
野沢北高校(普)後期181167 (1.04)149 (0.93)208189 (1.18)3月
  • 岩村田高校と野沢北高校(普)は前期選抜未実施
  • 令和7年度野沢北高校は定員割れでしたが、理数科との併願により定員を充足

第1回調査、第2回調査、最終結果を比較すると、青文字のとおり小諸義塾高校普通科は前期第1回121名から第2回131名さらに最終では136名で県下トップの2.27倍、商業科は前期第1回73名から第2回111名へ最終106名で1.47倍となり、いずれも高倍率になりました。昨年度との比較では、前期試験最終倍率は小諸高校の1.35倍から小諸義塾高校普通科は2.27倍に、小諸商業高校の1.44倍から小諸義塾高校商業科は1.47倍となりました。

後期選抜は小諸義塾高校普通科が162名から148名へ14名減、商業科が94名から118名へ24名増、岩村田高校(前期なし)は後期が260名から238名へ22名減、野沢北高校(普通科は前期なし)は後期が208名から189名へ19名減になっています。

 新校について令和7年度の赤文字部分と令和8年度の青文字部分を比較すると、普通科、商業科が前期、後期ともに大幅増になっていることがわかります。7クラス規模になりクラブ活動が活性化されること、施設設備が新しくなること、通学しやすくなることなど、新校に対する期待の高さがうかがわれます。

 後期選抜では令和7年度入試最終倍率(赤文字部分)を見るとわかる通り、前期選抜は不合格になっても後期選抜がありますので第2回調査から倍率が1.0倍に近づくことはありませんが、後期選抜では不合格になると、私立と併願していなければ、定員割れした学校の追加募集(若干名)に応募するか浪人することになりますので、倍率は1.0倍に近づく傾向があります。受験生は第2回調査結果と前期選抜結果を総合的に判断して、後期選抜で出願する学校を決めることになります。その過程で、岩村田高校の令和7年度後期選抜最終倍率に見られる通り、第2回調査の54名超過が安全策へ舵をきらせ、多くの受験生が他校へ出願し、結果的に定員割れになってしまうケースも出てきます。さらに、1/7信毎記事のとおり、授業料無償化の影響から私立高校進学傾向が強まる可能性があります。後期選抜出願期間は2/25~2/27、志望変更期間は3/2~3/5正午となっています。昨年度までとは異なる入試動向になることを予測しながら注視したいと思います。

 さて、現在の状況から小諸義塾高校開校と佐久新校開校(2029年)が岩村田高校にどのような影響を及ぼすか考えてみたいと思います。

私は高校選択の3大要素を「学習と進路の充実」「クラブ活動の充実」「通学の難易」と考えています。立地条件で小諸義塾高校は小諸高校よりはるかに通いやすくなります。しかし、そのことが岩高へ決定的な影響を及ぼすとは思いません。むしろ、生徒数が多くなり、クラブ活動の活性化が予想されますので、例えば、全国大会へ毎年出場しているレスリング班を軸に、野球班が甲子園出場を果たしたり、他の班が国大会で活躍したり、Mrs. GREEN APPLEに続くスターが卒業生から誕生するなど、注目される成果が次々に出てくるようになると岩村田高校も大きな影響を受ける可能性があると推測します。

佐久新校は立地ではこれまでと変わりませんので、直接的影響はないと思われます。クラブ活動も数は力となりますので、今より成果は上がると予想しますが、全国レベルで安定的に活躍するクラブがない現状を考えると傑出した成果が続出することは難しいと思われます。

最後の要素である「学習と進路の充実」は学校の勢力図を劇的に塗り替える可能性を大いにはらんでいます。小諸義塾高校については、小諸高校の進学実績と小諸商業高校の進学・就職実績が融合した進路になると予想できます。進学は大学進学率50%程度、内国公立大学は15名(5.4%)前後、就職は商業科を中心に15%前後と推測されます。この範囲であれば、岩村田高校の上位層が数十名単位で小諸義塾高校に吸収されることはありませんが、予測を上回る進路実績が続き、特に団体戦と称される進学において質、量ともに岩村田高校を上回ることがあれば、現在の立ち位置も逆転することになります。一方、佐久新校においては、1で記述した通り、魅力的なカリキュラム、施設設備が整えられる予定ですので、通学の不便さを割り引いても、岩村田高校の上位層が相当数吸収され、そこへ野沢南高校の上位層も加わって、進学実績は現在を上回る可能性が大きいと踏んでいます。

 もしも、この予想通りになったならば、岩村田高校は佐久新校に大きく後れ、小諸義塾高校とも状況が逆になる恐れがあり、佐久、小諸地区の高等学校の枠組みは旧制中学校時代以降初めての大変革に直面するかもしれません。

以上は私の私見であり、あくまでも可能性の話です。しかし、最悪の状況を想定して、今何を為すべきか発信することも「岩村田高校を発展させる会」の大切な役割と認識しています。一度変わった枠組みを再度動かすことは極めて困難です。「時」を見誤らずアクションを起こすことができるよう今後も動向を注視したいと思います。

3 部活動の地域展開(寄稿 新海吉永委員)

 高校入試が、今年度からインターネット出願となりました。進路指導担当の先生は、出願ミスがないように様々な配慮をしています。各家庭へのお便りもその一つです。執筆時現在76号まで出されていて、入試に対する心構えから出願に関する細かなところまで、丁寧に書いてあります。新しいことが始まる年は、大変なことが多いですね。

 さて、私の主な仕事は、南佐久郡の部活動地域展開に係るコーディネーターです。南佐久は自治体単独ではできないため、6町村が協力して進めています。各町村から負担金としてお金を出していただき、国からの委託金と併せ運営をしています。民間のクラブはありませんので、拠点校方式の合同部活動として中体連に登録し、休日には地域クラブとして地域展開をしています。これは、過渡期である今だからこそできる方式です。

 自治体が協力して実施している例が少ないため、先進地区として全国に紹介されています。1月24日(土)には、スポーツ庁の河合長官の視察がありました。全国各地から視察が来たり講演の依頼があったりします。確かに成果も多いわけですが、課題もあります。

 今は、合同チームにすることで大会に参加できるだけの人数がそろっています。しかし、夏の大会で東信地区1位となったサッカーでも、来年度の新人戦前には部員数が4人となってしまいます。生徒数減少への対応が急がれます。保護者には車による送迎の悩みがあります。広域であり公共交通機関がJR以外ないということから出てくる悩みです。

 また、令和9年度からは長野県の計画に沿って、文化部を含め全ての部活動が休日における地域展開を実施します。参加人数が一気に増えるため、公的資金だけではお金が足りなくなります。そのため、受益者負担が発生します。今まで「月謝」を払った経験の少ない方々がどのような反応を示すのか、今から丁寧な説明をしていく必要性を感じています。

 南佐久は地域の指導者が少ないため、教員に頼ることが多くなります。国では小学校の体育専科教員にも呼び掛けるようです。長野市のように部活動自体がなくなった地域から異動してくる先生方に、どうやって協力をお願いするかがこれからの新たな課題となりそうです。

 地域によって課題となる事柄は違ってくると思います。しかし、「子どもたちがやりたいことを続けられるようにしていく」ということは、どこでも共通です。持続可能な活動を目指し、様々な工夫を積み重ねていきたいと考えています。

おわりに

 今回は昨今話題になっている「部活動の地域展開」について、実際に南佐久郡のコーディネーターとして活動し、県内はもとより県外でも講演されている新海委員から最先端情報を寄稿していただきました。ご一読ください。

高校再編への関心は該当校においても、開校直前にならないと高まらない傾向が見られます。その背景には、開校には時間がかかり、その間に先生や生徒・保護者が異動、卒業等により入れ替わることによる影響があると考えられます。まして、岩村田高校のように再編対象になっていない高校では、同窓会も先生も生徒・保護者も関心が低いのは無理もないことです。

 しかし、私はそこに大きな危険が潜んでいると感じています。過去にも伝統校という位置付けに胡坐をかいていて学校の立ち位置が短期間に激変した事例がありました。例えば、昭和40年代後半から50年代前半にかけて推進された公立高校の男女共学化です。東信地区の女子高(野沢南高校、小諸高校、上田染谷丘高校)は影響が限定的でしたが、他地区では女子高時代はいわゆる進学校として定員割れを起こさなかった学校が共学後は教育困難校に変わってしまった例が何校もありました。それらの高校(須坂東高校、大町北高校等)は第1期・第2期再編の対象校となり、長い歴史に幕を下ろすことになりました。「岩村田高校を発展させる会」は上述のとおり教育界の変革に直面した時、早期から同窓会員の関心を高め、学校、PTA等と連携して対応を検討する中核となる役割も担っていると考えています。今回の再編は母校に直結していませんが、間接的な影響は多大なるものがありますので、教育界の大変革ととらえて注視しながら対処することが大切です。

今回の寄稿は池田義則(3以外)、新海吉永委員(3)でした。

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