令和7年9月30日
8月26日に開催しました第1回岩村田高校を発展させる会では、お忙しい中ご協力いただきありがとうございました。委員会資料に掲載いたしましたとおり、佐久・小諸地区は第2期高校再編計画が県内で最も早く進んでおりますので、長野県全体も同様に進んでいるような錯覚をしてしまいますが、他地区では該当地区における地域懇話会において基本計画すらまとまっておらず、開校に向けたスケジュールは白紙状態に近い地区がいくつも見られます。
当初、県教育委員会では遅くとも2030年度までにすべての新校を開校する方針でしたが、現在では上伊那総合技術新校(仮称)の開校が2035年度以降となるなど、大幅に遅れている状況に変化してきています。
岩村田高校を発展させる会では、メンバー6人で最新の情報共有を大切にしながら未来に向けた取り組みを継続したいと思います。そこで、委員会通信として不定期にこのような資料を配信しますのでご一読ください。
また、地域の皆さんが新校にどのような期待を持たれているか、開校学年になる現小学校6年生の保護者にはどのような情報提供がなされ、保護者の皆さんはどのように考えているか、雑談の中でアンテナを高くしてキャッチしていただけると助かります。
通信名の由来は・・・平成26年、27年度、母校勤務時に終始業式等で生徒・保護者向けに発行していた校長通信名です。初代校長、佐藤寅太郎先生は校地の一隅に竹を植え、修篁園と命名して大切に手入れをされていたそうです。竹は上下に節を持ち、中は空である。中空は心空しく私なきことを意味するという「中空の教え」を朝礼で話されたとも言われています。先生の精神を引き継ぐ意味から篁(竹林)を修めるの部分を通信名としました。(詳細は長州佐藤寅太郎先生像再建記念誌 頌徳 P147をご覧ください)
1 新校開校予定一覧
| 開校予定 | 校名・学級数 | 統合対象校 | 統合方法 |
| 2026年4月(R.8年) | 小諸義塾高校 7学級 | 小諸高校 小諸商業高校 | 一斉統合 |
| ※小諸義塾高校は予定通り開校しますが、校舎完成の遅れにより、小諸高校の来年度3年生、2年生(現2年生、1年生)は夏休み前まで小諸高校の校舎を継続使用し、夏休み後、新校舎へ引っ越す予定です。 | |||
| 2028年4月(R.10年) | 伊那新校(仮称) 8学級 | 伊那北高校 伊那弥生ヶ丘高校 | 年次統合 |
| ※新校は伊那北高校校地を使用します。「探究」をベースにした教育活動、文理融合した学び・教科横断型授業の展開等を掲げています。 | |||
| 2029年4月(R.11年) | 佐久新校(仮称) 8学級 | 野沢北高校 野沢南高校 | 年次統合 |
| ※新校は野沢北高校校地を使用します。探究を核とした学び、文理融合のリベラルアーツ的な学び等を掲げています。(リベラルアーツとは人文学・芸術・自然科学・社会科学等の分野の基礎知識を横断的に学ぶプログラムです)野沢北高校グラウンド西側の水田を校地に加えて駐車場とする予定です。年次統合でも新校開校時から部活動では合同チームの出場が可能です。 | |||
| 2029年4月(R.11年) | 須坂新校(仮称)7学級 | 須坂創成高校 須坂東高校 | 一斉統合 |
| ※新校は須坂創成高校校地を使用します。農業科・工業科・商業科に加えて、みらいデザイン科(仮称)を新たに設置します。(みらいデザイン科は「普通教育を主とする学科」の弾力化により設置可能となった「新たな普通科」の1つです) | |||
| 2030年4月(R.12年) | 赤穂総合学科新校(仮称) 総合学科5~7学級 | 赤穂高校 | 一斉統合 |
| ※第3通学区(南信地区)唯一の総合学科として設置されます。 | |||
| 2031年4月(R.13年) | 中野総合学科新校(仮称) 総合学科7~8学級 | 中野立志館高校 中野西高校 | 年次統合 |
| ※新校は中野立志館高校の校地を使用します。 | |||
| 未定 | 長野千曲総合技術新校(仮称) | 更級農業高校 松代高校商業科 屋代南高校 | 未定 |
| 未定 | 長野東スーパーフレックス新校(仮称) | 長野東高校 長野吉田高校戸隠分校(定時制) 長野高校(定時制) 長野商業高校(定時制) 長野西高校(通信制) | 未定 |
| ※北信地区唯一の多部制単位制高校として設置されます。 | |||
| 未定 | 岡谷新校(仮称) | 岡谷東高校 岡谷南高校 | 未定 |
| 未定 | 岡谷諏訪総合技術新校(仮称) | 岡谷工業高校 諏訪実業高校 | 未定 |
| 未定 | 上伊那総合技術新校(仮称) | 辰野高校商業科 箕輪進修高校工業科 上伊那農業高校 駒ケ根工業高校 | 未定 |
| 未定 | 塩尻総合学科新校(仮称) | 塩尻志学館高校 田川高校 | 未定 |
| 未定 | 安曇野総合技術新校(仮称) | 南安曇農業高校 穂高商業高校 池田工業高校 | 未定 |
2 一斉統合と年次統合
| 一斉統合 | 開校と同時にすべての生徒が新校生徒になる統合方法です。佐久地区では平成27年に開校した佐久平総合技術高校が一斉統合でした。岩村田高校工業科・北佐久農業高校・臼田高校の2・3年生が新校生徒となり、新入生は入学時から新校生となりました。 他に第1期再編で一斉統合した学校は飯田OIDE長姫高校、大町岳陽高校です。 |
| 年次統合 | 開校から新入生が順次新校生徒となる統合方法です。全学年がそろうまで全日制では3年、定時制では4年かかります。その間、上級生は統合前の高校名で生活します。佐久新校では2029年4月に新校生徒1期生が入学します。全日制の3年生は1年間、2年生は2年間野沢北高校校舎と野沢南高校校舎で学習を継続することになります。クラブ活動は新校開校時から合同チームでの出場が可能とされています。 他に第1期再編で年次統合した学校は飯山高校、中野立志館高校、須坂創成高校、木曽青峰高校です。 |
2 少子化と高校再編の歩み
長野県の中学校卒業予定者数は平成2年の34,699人をピークとして、令和7年には17,315人に減少し、令和11年には15,964人にまで減少する見通しです。このような社会情勢の中で、第1期再編計画はすでに完了し、第2期再編計画が現在進められているところですが、コロナ禍を経て、資材・人材確保に遅延が生じ、既述のとおり、2030年度までに完了するとした当初の見通しは大幅に変更されつつあります。
(1)第1期再編
長野県教育委員会では、中学校卒業者数の減少や生徒の多様化等の課題に対応し、明日を担う高校生により良い教育環境を提供するため、既に実施した再編計画も含め、2009年(平成21年)6月に「第1期長野県高等学校再編計画」(以下、「第1期再編計画」という。)を策定し、2007年度(平成19年度)から2018年度(平成30年度)までの12年間にわたり高校再編を進めてきた。第1期再編計画では、2007年(平成19年)4月、再編統合により、飯山高等学校・中野立志館高等学校・木曽青峰高等学校が開校し、多部制・単位制高校に転換した松本筑摩高 等学校、総合学科に転換した丸子修学館高等学校に第1期生が入学した。以降、計画で定めた再編基準に該当した望月高等学校が、2019年度(平成31年度)より募集停止となるまで、全通学区で再編統合等を進め、県立高校を89校から79校(地域キャンパス校は本 校に含める)に再編し、併設型中高一貫校の開設に伴い県立中学校2校を新設した。
(第1期長野県高等学校再編計画まとめと課題の整理 令和3年3月25日より抜粋)
(2)第2期再編計画
少子化に伴い検討が進められていた県立高校の統合・再編について、県教育委員会は24日、県内12地域のうち未策定だった5地域の計画案を公表した。すでに公表された1、2次案を含め計画通りとなれば、78校ある県立高校は、2030年3月末までに64校に集約される。今後、各地域や県議会への説明を経て、年内の計画確定を目指す。
(朝日新聞デジタル記事 2022年5月25日より抜粋)
3 今後の見通しと支援
(1)第3期再編はあるか?
今年の新生児数が過去最少を記録している現状を踏まえると、彼らが高校生になる16年後まで中学校卒業生数は減少し続けることになります。現在、40名である1学級定数を大幅に変更するか高等学校の統廃合を行わない限り、多くの高校で学級数の減少、募集定数割れが恒常的に続き、教育活動に支障をきたす懸念があります。
また、県教育委員会は中山間地高等学校の再編基準を見直し、単独校として存続する可能性が高くなりました。東信地区では軽井沢高校、小海高校がその対象校です。第2期再編計画はこれらの高校を統廃合することをベースに策定されましたので、旧第5通学区(上小地区)は影響を受けませんが、旧第6通学区(佐久市、小諸市、南北佐久郡)は大きな影響を受けることになります。
このような状況を基に今後を展望すると、10年後の2035年(小諸義塾高校創立9年目、佐久新校創立6年目)には旧第6通学区で8学級、7学級規模の高校が4校(岩村田高校、佐久平総合技術高校、佐久新校、小諸義塾高校)も維持されることは困難になります。他地区においても多くの地区で同様な状況が生じますので、統廃合以外の改革が行われない限り第3期再編が必要になると推測されます。
(2)同窓会の支援
現在進められている各地区の新校懇話会のまとめは、懇話会開催後、毎回県教育委員会HPに掲載されています。その中から、進学を主とする新校の中心的な表現をピックアップしてみました。佐久新校「夢のある未来社会を地域と共創する知の探究校」、「探究を核としたダイナミックな学び」、伊那新校「探究を核とした学びを通して、自己実現と社会貢献を目指す」、「探究をベースにした教育活動」、岡谷新校「興味や関心を深める探究的な学びの中で、成功だけでなく挑戦を評価する、生徒が安心して試行錯誤できる学校」となっています。共通して登場するキーワードは「探究」です。県教育委員会も各新校も「探究」から学びを広げる方向性を持っていることがわかります。
新校における「探究を核とした学び」が始まり、その成果が出始めるには6年~10年程度時間がかかります。岩村田高校では「探究」を岩高らしく展開する試行錯誤に早期に取り組み、岩高の魅力の一つに育てることが肝要です。その過程で、同窓会は創立100周年基金による財政支援、同窓会人材バンクによる人的支援を柱とするサポートをとおして、母校を後方支援することが考えられます。
今後、佐久新校開校が近づくと学力層の変動が表面化してきます。いかに変化対応するか本委員会のみならず、委員会外の皆さんとも協力して模索してみたいと思います。
文責:池田義則